富士と名のつく山は世界に400以上存在する
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朝日新聞に海外にある「富士」と名のつく山についての記事があった。
朝日新聞デジタル:「富士」世界に54峰 多くは移民や旧日本兵が命名「タコマ富士」や「ルソン富士」など富士山の名を冠した海外の山が、少なくとも23カ国・地域に54もあることがわかった。富士山展望ファンで筑波大付属高校(東京)の地理教諭田代博さん(62)らが調べた。多くは、移民や出征した旧日本兵が望郷の思いで名付けたものだった。
日本国内にもあっちこっちに、山名が「地名プラス富士」になっている山があるが、海外にもそんなに多くの富士があるのかと驚いた。もっとも、海外の富士は正式名称ではなく、移民や日本人が勝手にそう呼んでいるだけのようだ。まあ、国内に数多くあるなんとか富士も、正式名称が「地名+富士」であるものはそれほど多いわけではない。
朝日新聞の記事は、「世界の『富士山』」(新日本出版社)が6月26日に出版されたことを受けての記事らしい。
こういう本が出版されるのは初めてのことなのかと思ったら、それ以前にも似たような本が何冊か発行されていた。
そもそも日本にある「富士」と名のつく山も含めれば、世界にはどのくらいの富士があるのだろうと調べてみたところ、Wikipediaに「郷土富士」という項目があった。本家富士山以外の各地の富士は郷土富士と呼ぶことを恥ずかしながら初めて知った。類語辞典では「ふるさと富士」や「ご当地富士」という呼び方も紹介されていた。こちらの単語を使っている人もそれなりにいるようで、特にどちらが正しいというものでもないらしい。
さて日本にある郷土富士の数だが、静岡県富士市が1988年8月8日8時8分8秒に、日時が八尽くしとなることを記念して日本各地の郷土富士の石を富士山頂に積むイベントを行った際に確認したところでは、321座であったらしい。Wikipediaの郷土富士の項でリストアップされているのは188座だったので随分と違う。富士市のこの時の調査結果はサイト上で公開されている。
富士市 | ふるさとの富士山富士山の南麓にある富士市は富士商工会議所と共催で、1988年8月8日8時8分8秒を期して、各地の「ふるさとの富士」 のある自治体から、その山の石を持って富士山頂に集合し、ケルンを積むイベントを行いました。
その時に行ったアンケートに回答いただいた各自治体からの「ふるさとの富士山」情報を掲載しました。
このページは全国から大集合した「ふるさとの富士山」の大図鑑です。全国各地にある富士山をお楽しみください。
では日本国内は321座とみて間違いないのかと言えば、富士市の調査では北海道にある郷土富士は15座だが、Wikipediaでは17座である。天塩富士と母恋富士が富士市の調査結果にはない。
さらに、富士市とは別に静岡県が行った調査(PDF)もあり、ここでは富士市の調査結果よりさらに多い合計341の郷土富士があると紹介されている。Wikipediaと富士市と静岡県の調査を比較すると、いずれか一つの調査結果でしか紹介されていない郷土富士がいくつも出てくる。こうした漏れをすべて合わせると、日本国内の郷土富士は350以上はあるようだ。
朝日新聞の記事によると海外の郷土富士は54座ということなので、全世界にある富士と名のつく山は400以上存在すると見てよいだろう。
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